施設研究会 第17回 ”再開発における大規模複合施設”

2011/10/5

 

 日本における最も有名な商業施設といって過言でない六本木ヒルズ、また2005年末にオープンした日本最高級ホテルのマンダリンオリエンタルホテル東京の見学を通して、日本における再開発における大規模複合施設のありかたを学ぶこととした。

 

■六本木ヒルズ

 東京都から再開発誘導地区として指定を受け17年の歳月をかけ2003年にオープン。今日では中国をはじめとするアジア各国からの認知度も高く複合商業施設を超えた観光名所となっている。展望台であるTokyo City View、映画館、美術館など集客力の高い施設がある一方で、アカデミーヒルズ、六本木ライブラリーなどのビジネスパーソンの要求にも応える要素も持つ。森ビルの理念であるVertical Garden Cityを具現化したプロジェクトとして、オープン後も高い集客力を保ち常にその動向が注目されている施設である。

 今回は海外からの視察利用も多い施設概要案内ツアーに参加し、運営側との質疑応答を行い設計者の視点からこの施設の構成をハード、ソフトの両面から理解したいと考えます。また弊社協力業者のご厚意により同施設内にあるアカデミーヒルズの会議室(AVシステム)の見学も行なった。

 

■マンダリンオリエンタルホテル東京

 重要文化財である三井本館を含み重要文化財保存型特定地区として再開発された日本橋三井タワー。その上層階部分ある日本で唯一の6ツ星ホテルのゲストルームおよびバックアエリア等の見学を行った。マンダリンオリエンタルホテルは高級ホテルとして滞在するゲストにラグジュアリーなサービスを提供するだけでなく、地域貢献も行っておりホテルを構成するスタッフの高度な意識に支えられていることが理解出来た。

 こちらのホテルは弊社代表の神がローカルアーキテクトとして設計、現場フェーズで主担当として携わった経緯から、懇意にして頂いて居る施設管理の方のテクニカルな解説も含めて、ファイブスターホテルにおける施設のあり方や、設計時の注意点をよりよく学ぶことができた。

 

作成:中丸 隆司