施設研究会 第4回 上海ホテル・家具工場視察
2007/03/14-18
ホテル及び家具工場視察という事で、上海市内の4つのホテル及び家具工場2ヶ所とファブリック工場1ヶ所を視察した。
「ホテル編」
■龍之夢麗晶大酒店(ザ・リージェント)
上海では比較的新しいホテルである。ロビーと低層階のレストランのデザインは様々な要素がありすぎて、統一性がないと感じた。ホテルのアメニティーなどは問題なかったが、シャワーのお湯が出にくいなどの設備のトラブルがあった。
■浦東香格里拉大酒店(シャングリラ・タワー2)
上海の浦東地区に存在するシャングリラ・ホテルの新館で、すべてがスイートのタワー2に宿泊した。部屋の質感はよい。こちらも低層部には様々なデザインのカフェ・レストランが存在し、やや煩雑な印象を受けた。スパ階の1層上に宿泊したのだが、廊下に機械オイルの様な臭気が充満していたという事があったので、そうした点は非常に残念であり改善すべき点である。それを差し引いても今回滞在ホテルの中では一番過ごしやすいホテルであった。
■金茂君悦(グランドハイアット上海)
隣に建設中の上海環球金融中心を眺める位置にある、上海で一番位置にあるホテル(2007年3月時点)。そのビルの形状から、エントランスやレセプションスペースは、長細い形状となりプランニングに苦労したあとが伺える。ビルのセンターにある吹抜空間は非常にダイナミックで良い。最下層のラウンジは、程良いスペースが確保できている。宿泊したのはコネクティング・タイプの部屋であったが、ベッドルーム側に扉がついているものであったので、あまりいい気分ではないと感じた。
■四季酒店(フォーシーズンズ)
市街の中心部にあり立地はよいが、ホテルも竣工から時期がたっているのでリニューアルの必要性を感じる。特にこのホテルのバーなどは突出した部分もなく、こうしたグレードのホテルの場合は、よほど魅力がないと上海にある良質なジャズクラブなどにその需要を奪われてしまうのではないかと感じた。こちらもシャワーのお湯が出なくなるなど、設備系のトラブルがあったがホテル側の対応は良かった。
「工場編」
■IDEYA 意黛業上海木業装飾有限公司(家具工場)
ホテル関連のプロジェクトでお世話になった方から紹介を受け、工場を見せて頂く事になった。“私達の事務所は小規模です”と担当の方から自己紹介され、工場の入ると90名近い職人がほとんど手作業で自分の工程をこなしている。この工場で制作された家具は基本的に輸出のみで、上海など地元で出回ることはほとんどないとの事だった。その搬入先は日本国内の有名ホテルなどの名前もあった。
■HAI XIANG 上海海祥家具有限公司(家具工場)
こちらは前述の工場に比べ大規模な工場を持っているが、中国国内向けの家具製作も扱っており、オフィスの受付カウンターなども制作していた。
■ADF 上海西東紡紡績装飾公司(織物工場)
この工場では毎週、新しく100パターンのデザイン柄が追加されるとの事で、そのショールームを見学させて頂いた。
Appendix
また知人の紹介により、2006年に竣工した隈研吾氏のZ58(中泰世紀照明工程有限公司)のマネージャーに挨拶させて頂き、オフィス内部とゲストの宿泊施設部分を見せて頂いた。
作成:中丸 隆司