施設研究会 第3回 湾岸エリアの商業施設見学

2007/1/25 

■ アーバンドック ららぽーと豊洲

  2006年10月にオープン。「寛ぐ・潤う・遊ぶ」というテーマのもと、ライフ・ソリューション・コミュニティーとして誕生。施設の運営部門担当にヒアリングを行った。私達がこうした大規模商業施設の運営管理の方々と話すとき、バリアフリー対策や、海外からのお客様対応も重要であるが、利用者からのクレームや当初の予測と違った事を知ることが最も重要であると考えている。訪問時はまだオープン間もない頃であったので、大きな問題は発生していないようだった。

 客層としては、本来のターゲットとして銀座・丸の内商圏からの客の取り込みを想定していたのだが、意外と周辺に建つ高層マンションのDINKSなど、近隣住人の利用が多いとの事であった。200弱の店舗がテナントとして入り、その半数が日本初出店(オープン当時)となっていたので、その物珍しさも手伝っての事なのかもしれない。今後時期をみて、入居テナントの傾向なども継続調査してみたい。

 

■ デックス東京ビーチお台場

 1996年7月オープン。当初のコンセプトは”ワン・デイ・トリップ”。私自身の経験からも、当時のお台場はまさに孤島であり、現在より交通手段も限られていたので、都会にいながら非日常的な空間を手に入れる可能であったと思う。こちらも運営部門のヒアリングを行った。ちょうど10周年であるが、当初のコンセプトから徐々に大衆的な要素を持ち、客層や施設のありかたも変わってきたそうだ。デックスに当初より残っている店舗は1店舗のみ(2007年1月時点)。現在は、ららぽーと豊洲、フジテレビの定期的になイベントなど近隣施設と共存し、湾岸エリア全体で盛り上げて行く事を重要視している。またそれぞれの施設の運営担当同士で定期的なミーティングを持っており、ちょうど訪問した日の夜にも、女性担当者の会合が開かれるとの事であった。女性にとっていかに過ごしやすい施設であるかを日々議論してるのだと言う。こうした近隣の施設で共同体として、全体をサービスレベルを向上させる取り組みは良いと感じた。 またこのお台場エリアは、早い時期からアジア周辺各国からの観光客対応に力を入れており、中国や韓国国内で流通しているクレジットカードなどの対応が進んでいる。BOHも見学させて頂いたが、施設自体が増築を繰り返してるため、バック動線に混乱を生じており改善の必要性を感じた。またデックスの名前の由来になっているウッドデッキは10年経過した事により、新旧素材が入り交じり補修部分がかなり目立っている。

 

作成:中丸 隆司